君を愛したひとりの僕へ / 僕が愛したすべての君へ

推薦文

君を愛したひとりの僕へ / 僕が愛したすべての君へ
著者:
乙野四方字著
出版社:
早川書房
ISBN:
9784150312343 ほか
所蔵:
中央図書館 新書・文庫コーナー
文庫:HKB:JA1234

「さぁ、世界を消し去ってしまおう。こんな、愛する人のいない世界なんて」
 物事が起こりうる可能性の数ほどある世界が存在する。そこを人々は日々揺れ動いている。これは並行世界での物語である。可能性の世界を行き来することができるようになった時、もしも愛する人を失う運命が今いる世界の自分に訪れたとしたら。もしも愛する君にいくつもの可能性があるとしたら。もしもあの時、別の選択を選んでいたとしたら。どんな時でもそばにいてくれる“君”がいる世界。“君”のすべてを愛したいのに、“君”を愛さない“自分”がいる世界。そう、“もう一つの可能性の自分”の物語。それでも“君”と“僕”は出会う運命にある。どちらから読んでも楽しめる。切ない。運命を受け止められるのか。もう一つの可能性にすべてを賭けるのか。是非2冊とも読んでみて欲しい。大切な誰かを幸せにしたい。それが叶うには、自分はどうしたらいいのだろう。愛する君に私はどんな選択をするのだろう。可能性とともに生きる私へ。可能性の中で巡り合えた君へ。
「どうか、君と君の愛する人が世界のどこかで幸せでありますように」

鳥取大学
医学部生命科学科

補永 恭穂

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