はやぶさ2の地球帰還が2020年末に予定されています。リュウグウへの着陸成功など数々の成果は、先代はやぶさ、さらにそれ以前の日本の宇宙科学の経験の積み重ねによることがよくわかる本です。
はやぶさのプロジェクトマネージャーの川口淳一郎教授によるプロジェクトの概説は、平明に書かれていて文系人間にも一気に読めます。
はやぶさプロジェクトの実現化までの道のり(特に大国アメリカとの交渉など)や、航行途中に多数のトラブルに見舞われたときの川口プロマネの判断や行動力は、一般にも通用するプロジェクトマネジメントの示唆に富んでいます。
はやぶさプロジェクトは、結果が分かっていてもハラハラドキドキの連続で、読み物としても物語性にあふれています。実際の出来事として迫力と重みがあり、日本の科学の大きな成功体験として気持ちが上向きになります。
小惑星探査機「はやぶさ」の超技術 : プロジェクト立ち上げから帰還までの全記録
推薦文

小惑星探査機「はやぶさ」の超技術 : プロジェクト立ち上げから帰還までの全記録
- 著者:
- 「はやぶさ」プロジェクトチーム編
- 出版社:
- 講談社
- ISBN:
- 9784062577229
- 所蔵:
- 中央図書館 新書・文庫コーナー
新書:BB:B1722

鳥取大学
研究推進部長
飯野 美智子