本書はTEDトーク225万回再生となったエピソードをまとめたもので、著者はカナダの大学院で人類学を専攻する博士課程在学中の学生さんです。
学部時代、旧石器時代の芸術についての講義でヨーロッパの洞窟壁画のスライドを見ていた時、ふと躍動的な動物画の端に記号のような幾何学模様があることに気がつきました。しかも同様の記号が他の多くの遺跡にも見られることがわかりました。意外なことにそのような研究は今までなされていないこともわかりました。そこで著者自らも洞窟探検を行い、氷河期の洞窟にある記号を収集し、データベース化を行います。すると主要な記号は32種類に集約され、それぞれ特有の利用パターンがあることがわかってきます。それは時空を超えて何らかの意味を持つ記号体系を持っていたこと、つまりこの記号が「最古の文字」と言えるのではないか?
学生時代のちょっとした閃きが未知の研究テーマとなり、それを自ら謎解きしていく醍醐味が、洞窟遺跡探検で見つかった楽器や最古の地図などのエピソードと共に味わえます。
最古の文字なのか? : 氷河期の洞窟に残された32の記号の謎を解く
推薦文

最古の文字なのか? : 氷河期の洞窟に残された32の記号の謎を解く
- 著者:
- ジェネビーブ・ボン・ペッツィンガー著 ; 櫻井祐子訳
- 出版社:
- 文藝春秋
- ISBN:
- 9784163905594
- 所蔵:
- 中央図書館 開架
202.5:Sai

鳥取大学
研究推進部
教職員