大学のことをよくわからないまま入学し,卒研着手要件を何とか満たして,研究室のことをよくわからないまま研究室に配属され,社会に出た後で,大学とは何だったのかがわかる……のが普通ですが,できれば,大学のことを理解してうまく利用してほしい.
本書は大学教授という珍しい生き物の生態を覗くマニア本のように見えますが,大学は研究室が動かしていること,研究室を主宰する教授は個人的動機で仕事を選ぶことができること,など,大学そのものを動かすメカニズムを真面目に解説しています.在学期間を残している学生さんなら,現在および将来の学生生活で,または進路選びで,大学の組織や教員をどのように利用できるか,この本から示唆が得られるはず.
本書は示します.大学教授という職業は「ベールに包まれている」「一国一城の主」「実は雇われ城主」「とんでもなく忙しい」「教え方を教わっていない先生」「教壇は最良の勉強の場」「教え方のド素人,研究者としてはプロ」.このような人々が,研究成果や卒業生を送り出すことを通じた社会貢献を果たすため,研究室の日常,卒業研究などをどう考え運営しているかが詳しく記されています.
大学教授という仕事
推薦文

大学教授という仕事
- 著者:
- 杉原厚吉著
- 出版社:
- 水曜社
- ISBN:
- 9784880652290
- 所蔵:
- 中央図書館 開架 ほか
377.13:Dai

鳥取大学
工学部化学バイオ系学科教授
片田 直伸