乾燥地を救う知恵と技術 : 砂漠化・土地劣化・干ばつ問題への対処法

推薦文

乾燥地を救う知恵と技術 : 砂漠化・土地劣化・干ばつ問題への対処法
著者:
恒川篤史編集代表
出版社:
丸善出版
ISBN:
9784621087534
所蔵:
中央図書館 教員著作 ほか
454.64:Kan

 40年に渡る砂丘農業の発展と砂丘固定に取り組んだ経験と技術を活かした乾燥地における持続的農業と砂漠化対処への取り組みは、間違いなく本学の特色の一つであろう。
 今年は乾燥地研究センター設立30周年でもある。乾燥地研究センターはこれまでに乾燥地科学シリーズ全5巻(2008年)や最新の「持続可能な乾燥地農業のために~ 土壌塩類化防止と塩類土壌修復 ~」など10冊以上の書籍を監修してきたが、本書は中でも専門外の方や学部生にも最もわかりやすく乾燥地における農業生産や生活を脅かす諸問題を解説し、それらを克服してゆく技術をまとめたものである。菌根共生、ファイトレメディエーションなど最新の研究段階のものからバイオガス、ソーラークッカー、ウォーターハーベスティング、点滴灌漑など途上国でも急速に普及が進んでいる中間的技術まで幅広く紹介されている。
 また、要素技術のみならず、農民参加型水管理、農民参加型育種、マイクロファイナンスなど社会科学的、制度的アプローチについても論じられている。「国際協力を志す人のために」という懇切な章まで設けられている。砂漠化や食料問題に関心のある学生にぜひお薦めしたい一冊である。

鳥取大学
乾燥地研究センター教授

藤巻 晴行

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