風塵抄

推薦文

風塵抄
著者:
司馬遼太郎著
出版社:
中央公論新社
ISBN:
9784122021112
所蔵:
中央図書館 新書・文庫コーナー
文庫:CK:し-6-36, 56

 「風塵抄」の中の64あるエッセーは、64の多岐にわたる事柄について、すべてが司馬遼太郎独特の世界観、歴史観に基づいて、彼の思いや考えが書かれています。その中の45番目のエッセー「海岸砂丘」に、鳥取大学のことが触れられています。一般の砂漠のこと、鳥取砂丘のこと、それに続いて、「以下は、鳥取県と農学部を中心とした鳥取大学が、戦後四十余年、海岸砂丘という“ミニ砂漠”をたんねんにあつかってきたことへの礼賛である。」と鳥取大学の砂丘研究の取組から砂漠研究への展開の歴史を、短い中にも、端的に、かつ愛情溢れる筆致で表現してくれています。鳥取大学の社会貢献の原点が砂丘研究にあることを再確認させてくれる貴重なエッセーです。このエッセーを含めて全てのエッセーが読みやすく、面白く、かつためになるので、多くの学生、教職員に読んで頂きたいと思います。
 司馬遼太郎は、時代小説のほかに「この国のかたち」や「街道をゆく」などの読み物も書いていますが、「風塵抄」は、産経新聞の朝刊に掲載された彼のエッセーをまとめたもので、平成3年10月に中央公論から出版されました。その3年後には文庫本となり、文庫本は今でも入手可能です。

鳥取大学
学長

中島 廣光

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