姑獲鳥の夏

推薦文

姑獲鳥の夏
著者:
京極夏彦著
出版社:
講談社文庫
ISBN:
9784062638876
所蔵:
中央図書館 新書・文庫コーナー
文庫:KOD:き39-1

 皆さんは鳥取といえば何を思い出しますか。鳥取砂丘や二十世紀梨や温泉など、様々な事を思い出すと思います。私はその中でも妖怪のイメージが強いです。ご存知のように「ゲゲゲの鬼太郎」の作者水木しげるさんは鳥取出身で、水木しげるロードと呼ばれる商店街はいつも観光客で賑わっています。そこで今回紹介したいと思う本は「姑獲鳥の夏」です。
 軽くあらすじについて話します。小説家の関口巽は奇怪な噂と耳にします。そこで関口の古くからの友人である京極堂に相談をします。二十ヶ月も子供を身籠る女性、連続して発生する嬰児の死亡、関口の知り合いの失踪。多くの謎に対して、主人公は奮闘します。本作品のタイトルの難しい漢字はうぶめと読みます。
 産女(うぶめ)とは日本の妊婦の妖怪で、子供を抱かせに来るお化けです。姑獲鳥(こかくちょう)とは中国の悪鬼です。羽毛を纏うと鳥になり羽毛を脱ぐと女怪となるという化け物で、女児を攫って養女にするという性質があります。姑獲鳥とは本来はうぶめとは呼びませんが、今回の物語ではそれが大きく関わってきます。本作品の魅力はペダントリーとウィットに富んだ会話です。他のミステリー小説とは一風変わっていますが、物語に引き込まれます。是非読んでみてください。

鳥取大学
農学部生命環境農学科

学生

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