ぶらりミクロ散歩 : 電子顕微鏡で覗く世界

推薦文

ぶらりミクロ散歩 : 電子顕微鏡で覗く世界
著者:
田中敬一
出版社:
岩波新書
ISBN:
9784004312659
所蔵:
中央図書館 新書・文庫コーナー ほか
新書:IS:1265

 本書は鳥取大学名誉教授,田中SEM研究所所長の(故)田中敬一先生が2010年に出版された本であります.身の回りの様々な生き物のみならず無生物に至るまで電子顕微鏡で観察し,その特有の形態がユーモラスに記載された科学エッセイです.
 私が2012年に電子顕微鏡の学会を鳥取大学の湖山キャンパスで主催したときに,「電子顕微鏡で覗く微生物の世界」と題したシンポジウムを企画し,本著書の田中敬一先生に「走査顕微鏡あれこれ話」と題した基調講演をして頂きました.田中先生は,当時86才と高齢ではありましたが,米子市から駆け付け,とても含蓄のある講演をして頂いたことがございました.ここで推薦する書は,本基調講演の折に,田中先生から頂戴した一冊であります.残念ながら,2019年に永眠されましたが,私にとってはとても記念に残る一冊であります.
 田中敬一先生はエイズウイルスを世界で初めて観察することに成功した功績をお持ちです.また,これまで我が国の電子顕微鏡技術開発を牽引されたとても著名な先生であります.鳥取大学の学生さんには,鳥取大学には電子顕微鏡技術の礎を構築され田中敬一先生の功績を是非とも知って頂きたく,ここに推薦する次第でございます.

鳥取大学
農学部長

霜村 典宏

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